[住所]吉祥寺南町2-10-15
[電話]0422-43-5508
[定休日]水曜日
[営業時間]11時30分〜21時
吉祥寺駅高架下の西荻窪よりアトレ吉祥寺郵便局のカドを南へ30秒。「吉祥寺やぶ」は大正12年の創業。もともとは新宿にあった店舗が関東大震災の影響で吉祥寺に移転し、現在は三代目の嶋田博さん(61)と四代目の嶋田雅士さん(26)がのれんを守る。
嶋田博さんは、武蔵野地粉うどんの開発プロジェクトチームのリーダーでもあり「吉祥寺やぶ」は全てのうどんが武蔵野地粉製というやる気満々のお店。武蔵野台地で採れる「彩奥義」(さいおうぎ)をブレンドした小麦粉を木鉢で練り、さらに布で包んで足で踏んで生地を一晩寝かせる。三代目の御主人が20年前からこだわるスタイルを今も守り続けている。中細のうどんは、独特のコシと弾力があり、歯ごたえがよく何ともいえずうまい。本節のカツオダシの香りが見事でどんな具とも合う。取材でいただいたのは本鴨。うまみが凝縮したジューシーな鴨はつけ汁にもかけにも最高に相性が良く噛むほどにうまみが口に広がる。
お店には四代目の雅士さんが考案する春夏秋冬の季節メニューがあり、春は、香ばしい「桜海老のせいろ」や、とろけるうまさの珍しい「湯葉そば」。夏は冷麦や変わりだねの冷たいそば、冬は熱々の鍋メニュー等が限定品で並ぶ。甘味があるのも女性客や子供連れにはうれしいサービス。「黒蜜のそばかんてん」、「きな粉餅」、「クリームソーダ」もあり、食事メニューとセットで頼むと安くなる。
平日は近隣のサラリーマンで賑わうが、休日や祝日は家族連れが中心。小さな子供にはおまけのプレゼントをくれるお店の優しさが、代々続く「吉祥寺やぶ」の人気のひとつでもある。吉祥寺の買物帰りに足を伸ばして訪れたい名店だ。