武蔵野市内の小麦を使った武蔵野地粉うどん。市内の各お店にて食べられます。

武蔵野吉祥七福神めぐりで有名な大法禅寺の近く、公園通り沿いの「武蔵野第四小学校」バス停目の前にあるのが昭和46年からのれんを構える吉祥寺そば処「さらしな」。
初代店主、坂春義さん（68）は、平成に入って以来、値上げをしていないという。店主の心意気は脱帽もの。武蔵野地粉うどんについては、「麺類組合や仲間の皆さんと研究を重ねて武蔵野名物としてとてもいいものが出来たと思います」と喜ぶ。「駅に近い他のお店さんと違って、うちは離れていますから、よそより安く750円で提供しています」と赤字覚悟のサービスぶり。

うどんはもちろん武蔵野地粉の手打ち、もっちりしこしこの中太めん。汁は本カツオ、ソーダカツオ、サバをブレンドした昔懐かしい素朴な味で、ブタバラ肉としめじが良く合う。もりタイプをメニューには出しているが、要望があればかけも作ってくれるという。

他店との大きな違いは、最近めっきり減った出前のサービスがあるということ。近隣の住人や会社などにとっては、いまどきうれしい店舗のひとつ。家で出前の地粉うどんが食べられるというわけだ。お店の人気は「鴨せいろ」や「天せいろ」のそばメニューの他に、アジフライ、サバ味噌、カレイの煮付けなどの定食も良く出るという。ラーメンやチャーハン、オムライスなどもあって、何やら昭和の大衆食堂の趣きも感じさせてくれる。「お客様はご近所の方が多いですけど、遠くからの方も、ぜひ、散策などの折にいらして下さい」（坂さん）。